表題の私の主張に接して、そんな馬鹿な!、「日本基督教団○○教会」規則(準則)は、日本キリスト教団出版局発行の『日本基督教団 教憲教規および諸規則』に掲載されているから、ちゃんとした教団規則であると主張される方も多いかもれません。それらの方で、私がいかに主張する内容を読まれたあともなお私が間違っていると思われる方は、私にも理解できるような明快な根拠を示されて反論ください。前向きの意見交換は私も歓迎するところです。
教団の諸規則は、教団の教憲を頂点とした規則の体系の中で、それぞれが、所定の制定権限を持つ会議(教団総会、常議員会、各個教会総会など)において所定の手続きを持って制定されて始めて諸規則として認定されます。ですから、諸規則の有効性をチェックする際には、その制定日と制定機関をチェックすればおおよそその規則としての有効性がつかめます。(勿論、制定までにわたる経過やその趣旨なども判断の必要がありますが・・)
『・・・諸規則』集で、2つの「・・・教会規則」(準則)を、チェックしてみてください、いずれも制定日が表記されておらず、制定機関も、またその改定に関する条項も定められていない事に気づかれるでしょう。
宗教法人「日本基督教団○○教会」規則(準則)は、宗教法人法第12条の規定を満足するための規則を制定するために雛形(例文)として準備されたものであります。このあたりの経過は『先例集』の63頁の(註)を参照ください、雛形ですから、当然に各個教会を規制する規則にはなりませんし、教規の中で根拠づけも行われていません・
同様に、「日本基督教団○○教会」規則(準則)は、教規第85条および第86条に示される教会規則制定のための用件を満たした個別教会の規則制定の際に便利なように準備された雛形です。その経過についても『先例集』の63頁に記載されていますから参照ください。教会規則(準則)の作成は教団総会から常議員会が委託を受け、信仰職制委員会に作成を委託されてはいますが、それは(準則)の名が示すように例文・参考としてされたものであることは明らかです。その事は、前述の『先例集』の(註)が、教規第85条の「教会規則」の(準則)が公表された。と記述されていることで明らかです。規則として制定されたなら教規に根拠付けの条文を追加修正され、制定されたと表現されるからです。
日本基督教団の規定・規則とは、教規によって根拠が与えられているもの!
教憲はその第11条で教憲施行に必要な規定は教規によって根拠が与えられなければならないことを定めています。
教憲第11条 本教憲を施行するに必要な規定は、教規によってこれを定める。
前項の教規は教団総会において、出席議員3分の2以上の同意をもってこれを定めるものとする。
第11条1項の「必要な規定は、教規によってこれを定める。」との記述の意味を取り違える人はいないと思います。この場合の「よって」を漢字で表すと、「由って」がもっともふさわしいと思いますが「拠って」「因って」でも意味は通じます。教規を経由して、教規を根拠にした、教規に原因を与えられて・・、など色々ありますが、教規と無関係に定めてよいとの意味は全くないないことは明らかです。
従ってこの記述からは、教規に根拠を与えられていないものは教憲施行に必要な規定とは認められないことになります。では実際にどのようになっているのか、教団出版局の発行している『教憲教規および諸規則』に掲載されている諸規則をチェックして見ましょう。「日本基督教団信仰告白」「教憲」「生活綱領」「日本基督教団成立の沿革」「教規」はチェックの必要なしとして、目次の6~25までの諸規定についてチェックします。
「教規施行規則細則」
教規第171条:本教規の施行に関する細則は、別に定める。
「事務局規定」
教規第51条②:教団事務局の取扱事項および運営に関する規定は、別に定める。
「部落解放センター規約」
教規第55条②:部落解放センターに関する規定は、別に定める。
「出版局規定」
教規第56条②:出版局に関する規定は、別に定める。
「宣教研究所規定」
教規第52条②:宣教研究所に関する規定は、別に定める。
「教師検定規定」
教規第45条②:教師検定の規則は別に定める。
教規第140条の3:キリスト教教育主事認定試験の規定は、別に定める。
「戒規施行細則」
教規第146条:戒規に関する規定は、別に定める。
「セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規則」
教規に根拠規定が定められていない。
「年金局規定」
教規第57条②:年金局に関する規定は、別に定める。
「謝恩金規則」
教規第132条③:謝恩金および退職年金に関する規定は、別に定める。
「教師退職年金等規則」
教規第132条③:謝恩金および退職年金に関する規定は、別に定める。
「退職年金等規則施行細則」
教規第132条③:謝恩金および退職年金に関する規定は、別に定める。
「教師退職年金等規則の特例に関する規則」
教規第132条③:謝恩金および退職年金に関する規定は、別に定める。
「キリスト教教育主事にかかる退職年金規則」
教規第132条③:謝恩金および退職年金に関する規定は、別に定める。
「日本基督教団○○教会」規則(準則)
教規には根拠規定が定められていない。
宗教法人法第12条に従って作成され文部省に認証されている。
教規には根拠規定が定められていない。
「総会議事規則」
教規第20条②:総会議事に関する規則は、別に定める。
「宣教師に関する規定」
教規133条の2宣教師に関する規定は、別に定める。
先に私が指摘した山北総会議長の元で作成された「セクシュアル・ハラスメントの防止に関する規定」、2つの「・・・教会」規則(準則)および宗教法人「日本基督教団」規則を除く、全ての規則・規定がちゃんと根拠規定を明示したいます。
更に言うと、教憲第11条の規定の想定する諸規則の制定者は教団総会です。そのことは、教規第18条①において定められている、「教団総会において処理すべき事項からも明らかです。
教規第18条① 教団総会において処理すべき事項は、別に定めることのほか、次のとおりとする。
(8)教憲および教規の変更に関する事項
(9)教規もしくは宗教法人法に基づく教団諸規則に関する事項
教規第18条② 前項の事項は、定期教団総会を招集しない年には常議員会で処理することができる。ただし、処理事項は、定期教団総会で承認を得なければならない。
教規第35条 常議員会において処理すべき事項は、次のとおりとする。
(1)教団総会閉会中、総会の権限に属する常例の事項
(2)教団総会の権限に属する事項で、その委任を受けた事項
(3)教憲および教規の変更、その他教団総会に提出すべき議案に関する事項
と表記されている内容を検討ください。教団総会からの特別の委任がない限り、常議員会は、教憲および教規の変更や諸規則の制定に関しては、議案提出のための権限しかないことが明らかです。『・・・諸規則』の57ページの付帯決議の3.を参照ください。教団総会での決議で常議員会に委任されている例が出ています。これが正しい手続きであることの見本です。
以上、詳細にチェックした内容から明らかなように、「日本キリスト教団○○教会」規則(準則)は、教規第85条に記載されている教団諸規則にはなり得ないのです。教憲教規の記述において明確に聖餐を受けれる人の規定が書かれているのは(準則)第8条のみですから、「正しい聖餐」を主張される方々が、教規第85条による「教会規則」をと主張される気持ちは理解できますが、「教会規則」制定に関する教規の規定は第85条と第86条がセットである事実を無視してはいけません。
その意味では、1992年以降の信仰職制委員会の答申の53、55は、教憲教規を正しく読んだ上で正しく解釈すべき信仰職制委員会の職務に照らして見ると大いに疑問を含むものです。これについては、明日以降、項を改めて記載します。 (猪十戒&攄十戒)