猪十戒の石の叫びと祈り(教憲教規等の解説と思い)

猪十戒(高槻教会信徒である安田信夫)が、日本基督教団の運営に対して、一致と前進を求めて問題指摘、提言を行うためのブログです。私が感じたことを素直に表現し、また行動します。優しい忠告など、歓迎いたします。コメントをどうぞ。

個別教会規則の変更を教会総会で決議した紅葉坂教会の場合には!

教会全体で聖餐に対する学習を積み重ね、準則に素直に従って作られていた教会規則の第8条を削除する教会規則変更を教会総会で決定し、教区議長の承認を受けた後に、教団議長から教区議長承認に対する不同意の表明を受けた紅葉坂教会の場合にはどうなるのでしょうか。

紅葉坂教会の現在有効な教会規則はどれでしょうか。

この問いに対する回答は教憲教規の解釈・理解によって次の3つのパターンが考えられます。

  1. 紅葉坂教会の教会総会で決定した教会規則変更は有効であるとの解釈。
  2. 準則第8条違反の教会規則変更は、教規違反の決議であるからその決議は無効で準則に従った古い教会規則が有効なものとして残っているとの解釈。
  3. 準則どうりに作られた教会規則の制定は、教規第86条違反の決議であるから当初から無効であり、紅葉坂教会には教会規則は存在しないとの解釈。

並べてみると、おかしなことが判ります。信仰職制委員会が金科玉条のように使っている「教規違反の決議は教会の決議であれ教区の決議であれ無効」との見解に立脚すると、彼らが望む準則に従った教会規則が有効という結論に到達せず、教会規則そのものが成立していなかったという結論になってしまうのです。

紅葉坂教会の教会規則は、1999年3月の教会総会決議によって変更されたものが有効です。

教憲教規の解釈をチャンとおこなえばこの結論に到達します。

  1. 教憲第7条の規定は、「教会総会の決議」と「教憲および教規の定めるところ」は同格であるが、どちらかといえば「教会総会の決議」の方が優先されるように作られている。
  2. 教規第85条は「教会は・・・・教会規則を制定し、教区総会議長の承認を受けるものとする」と定めてあり紅葉坂教会の教会規則変更は神奈川教区総会議長からの承認を受けている。
  3. 教規第168条は「教区総会議長の承認した事項は、すべて教団総会議長の同意を得なければならない」と定めてありますが、これは承認後の手続きの定めです。通常では承認事項は自動的に同意されるのが普通であり、不同意になる場合には、教規第39条に定められた方法によって教務の総括行為(教団議長と教区議長が協議し解決方法を探ること)がなされるはずです。
  4. 上記、教団議長の総括行為によって、教区議長や当該教会との話し合いがなされ、教区議長からの承認取消の表明が無い現状では、教区議長の承認を得たとの結果が生きていると判断するのが普通です。
  5. 紅葉坂教会の教会規則も、元々不完全なお手本「準則」を参照していますから、今でも教規第86条第1項第10号違反(合併および解散に関する事項の未規定)の現実は残っています。この事実は、他のほとんどの教会の置かれている現実と同じですし、そのことで自動的に教会規則無効とすることは、日本中の教会に大混乱を生じさせます。違反状態であるが、当面は有効とするのが穏当な解釈の姿勢です。

今日はこのあたりまで (羜十戒)