猪十戒の石の叫びと祈り(教憲教規等の解説と思い)

猪十戒(高槻教会信徒である安田信夫)が、日本基督教団の運営に対して、一致と前進を求めて問題指摘、提言を行うためのブログです。私が感じたことを素直に表現し、また行動します。優しい忠告など、歓迎いたします。コメントをどうぞ。

戸田伊助先生の「先例集」と内藤留幸先生の「先例集改訂版」の違いは!

「福音と世界」2009年6月号に掲載された、戸田伊助先生の「私の聖餐論」はぜひ読んでください。

これはすばらしい祈りです。

戸田先生は「日本キリスト教団は只今「未受洗者の陪餐」をめぐって紛糾しています。この問題に関して、ここに小生の只今の見解と問題意識をのべ、真理探究のための更なる対話と展開への一里塚といたします。」と宣言して、ご自分の聖餐論を提示されました。中身は皆さんがお読みくださって味わってください。篤い思いと祈りに誠にアーメンです。

私も先生の思いに祈りを合わせながら、このブログを書いてゆきます。   (羜十戒)

「教憲教規の解釈に関する先例集」は現在は2002年9月発行の改訂版しか入手できません。「先例集」は書店での取り扱いはなされていません。教団事務局に申し込み入手するしか方法は無いのですが、ぜひ入手してお読み下さい。

「先例集」には、戸田伊助先生が1986年に編集し発行された第1版(1986年発行)、第2版(1991年発行)と、内藤留幸先生が2002年に改定編集された改訂版(2002年発行)の二種類あります。改訂版には当然第1版の内容を含んでいますから、内容を理解するには改訂版さえあれば良いのですが、この二種類の「先例集」の編集方針には大きな差が有ります。注意して読まなければわからないことですから、以下にその違いを解説しておきます。

戸田先生の「先例集」は、教憲教規の解釈にあたって・・・人間と教会を自由と会いに向かって解放する福音の原理にそってなされています。

戸田先生の「先例集」に対する姿勢は、序文に明確に表されています。以下に原文を引用します。姿勢を味わってください。

「法は不可欠であります。しかし、それは教会の第一の規範ではありません。従って、法は謙虚であり、未完結であり、つねに自己改革へと開かれていなくてはなりません。教憲教規の解釈にあたってもこのいわば福音的教会の教会観にのっとり人間と教会を自由と愛に向かって解放する福音の原理にそってなされています。教会が”キリストの体”である以上これは当然のことであります。このことは今日まで出されてきたこれらの解釈の内容を丁寧に検討されるなら、了解されることと思います。」

いかがですか、福音的に開かれた姿勢が良く現れています。それ以上に、「解釈の内容を丁寧に検討されるなら、了解されることと思います。」の自信、真剣に祈って解釈されて来たとの自負の現れでしょう。ですから、戸田先生の編集された「先例集」の答申には、どの信仰職制委員会が答申を出したかの表明があります。

内藤先生の「先例集改訂版」は、なぜか答申を出した委員会名を隠します。

内藤先生の「先例集改訂版」を刊行するにあたって、の文章の中からその姿勢を見て見ましょう。

「1986年以降に信仰職制委員会に提出された諮問に対して出された答申の数がすでに相当数あり、特にこの3・4年の間に提出された諮問には教会会議の根幹に係わるものや、教団の基本的信仰条項にかかわるものがあり、それに対する答申は教会形成に関して重い意味をもっている。それらを追加して新しい先例集をぜひとも刊行してほしいとの要望が多くなってきている。この新しい先例集が教団・教区・教会の健全な形成に大いに活用されれば幸甚である。」

いかがですか、姿勢の違いを感じましたか、ここ3・4年の重要な諮問と答申を持って教団・教区・教会の健全な形成を導くとの姿勢が見え隠れしていないでしょうか。その導くべき答申を出す委員会は誰が答申を出したか出来るだけわからない様に、明示は避けています。

私がこれまで問題にしてきた、明らかに教憲教規に対する解釈間違いや教規無視の姿勢は、信仰職制委員会の権威で一方的に押し切りながら、自分がその答申に係わったことを隠す、その姿勢から現れていると思います。

戸田先生の編集方針から変更して、答申を決定した信仰職制委員会名を公表しないことには、明確にそれを隠したいとの意思が働いていたことは間違いありません。(でなければ隠すように変更する必要はありません)

最近の答申の解釈内容については、すでに丁寧な検討を始め、了解できなかったことは、戸田先生が言われたような方法で、明確に聞いてゆきます。

匿名性の配慮もあって、この間信仰職制委員会の名でかなり無理で一方的な答申が頻発されてきました。その中には、明白に教憲教規違反の容認や、無視がありました。教憲教規を読まないで出来レースで答申したとしか思えない事例もあります。

しかし、信仰職制委員は職務上教憲教規を読み正しく理解している職責があります。明らかに教規無視の答申をした皆さんは、その職責を無視し違反したことになることに心してください。名前は隠しても判ります。何よりも神様はあなたの行動と判断を知っておられることを肝に銘じてください。      (羜十戒&攄十戒)