猪十戒の石の叫びと祈り(教憲教規等の解説と思い)

猪十戒(高槻教会信徒である安田信夫)が、日本基督教団の運営に対して、一致と前進を求めて問題指摘、提言を行うためのブログです。私が感じたことを素直に表現し、また行動します。優しい忠告など、歓迎いたします。コメントをどうぞ。

「聖餐 イエスのいのちを生きる(57人の発言)」を読んで、

このブログを書き始めたきっかけには『聖餐 イエスのいのちを生きる (57人の発言)』を読んだ事が背景にあります。

この本を読む前に大阪教区の宣教セミナーで聖餐に関する学びに接する機会があり、『聖餐の豊かさを求めて』も読みました。異なる観点からの本と言うことで芳賀氏の『洗礼から聖餐へ』も購入して読みましたが、正直な話『洗礼から聖餐へ』からは、私の読み方が悪いのか、今のところ聞くべきものに出会いませんでした。

この『57人の発言』は、多くの方の意見が聞けるので、繰り返し読ませてもらいました。それぞれの方の発言にコメントして見たくなったので、これから時々書かせてもらいます。

第1回目は、「まえがき」と「あとがき」に対して一言

「まえがき」は禿先生、「あとがき」は高柳先生の文です。お二人の先生が、北村教師に理不尽な「教師退任勧告」を出された教団議長・教団常議員会の暴挙に憤られ、多くの方の発言を集めて発行された事は、本当に大切なことだったと思いました。

執筆された57人の皆さんが、驚きと憤りを抑えながらそれぞれのおかれた宣教の先端から実に多様な意見が結集されたこと。その中に合同教会としての日本キリスト教団の豊かさが示されているとのお二人の思いと確信ににアーメンです。

全体を通して読み、感じたこと。「教憲教規への信頼と愛情が感じられない」これでは・・・

まず感じたのは、聖餐について柔軟な評価を出来る人達の発言の中にも、教憲教規に対する信頼や評価・愛情が感じられなかったことです。これは本当に残念でした。

教団中央の理不尽に対する憤りは良く理解できます、私もそう思いますから。しかし皆さん、山北議長やそのお仲間が、正しい聖餐を求め、教憲教規を守れと発言し詰め寄ってくれば、「イエスの福音」を対置することはなされ、また宣教の先端の現実から主張することに力点が集中します。「山北議長達が実は教憲教規の正しい理解をしていない」との観点からの反撃が全くなされていないように感じました。勿論、何人かの方は問題点を指摘されてはいましたが、全体としてみれば、教憲教規にも欠けがある、時代に合っていないなどの発言の後ろに追いやられてしまっているとの感じがしました。

規則を守れという人と、規則に問題があると発言する人では、前者が優勢になるのは当然!

自分では教憲教規の精神を無視しておきながら、数を頼りに誤った解釈を振りかざし規則を守れと主張する彼らが一定の支持を受けるのはなぜでしょうか。

誰でも、規則は守るべしとの前提を暗黙のうちに自分の価値観のベースにすえています。ですから、福音理解や考え方で正しいことを主張していても、今の規則がおかしいからそれは破っても良いとの主張と一緒に伝えると割り引いて理解され結果的には否定されてしまうのです。それが一般の信徒の普通の判断基準です。

ですから、効果的に反論するには、今皆さんがなされている福音のレベルで正論を粘り強く述べ続ける活動に加えて、規則の面で彼らのでたらめを暴露し、実は私達の主張が教憲教規の正しい理解にかなっているのだとの論調の構築が必要です。

今彼らが根拠とし強みと思っている「信仰職制委員会」も、その見識のでたらめさが教憲教規の定める事実に照らして明らかにされていく中で、足元がもろく崩れ落ちて行き、信仰職制委員会が正しく機能するように工作されると、彼らの不当さを追及する道具に変質するものだということを知らせてやりましょう。

民主主義を正しく守るには知恵と知識が必要です。共に学んでがんばりましょう。

とにかく、今日は、お二人を始めとした57人の皆様へエールを送ります。  (羜十戒)

「二重教職制」「二種キリスト者制」は問題でも、これの解決には時間がかかります。

「あとがき」に書かれている、「二重教職制」「二種キリスト者制」は、確かに大きな課題です。ですが、これは現行の教憲教規に定めの現実です。明文で明らかに規定してありますし、「二重キリスト者制」の問題は教団の根本的変更になりますから、これは今私達に与えら得ている当面の課題をクリアーしてから多くの人の自由な意見交換の積みかせねの中で方向を探して見ましょう。本当にしんどいテーマです。

戸田先生の「私の聖餐論」から、「先例集」(特に教憲の部)から良く聞きましょう。

今は、現在の教憲教規がくすしき御霊によって私達に与えられた賜物であるとの認識で活動を始めましょう。戸田先生の「先例集」序文の祈り、理解できれば、その良さが理解できます。私も、「教憲教規および諸規則」の全文と「先例集」を何度も繰り返し熟読する中でその確信を持ちました。戸田先生が「このことは今日まで出されてきたこれらの解釈の内容を丁寧に検討されるなら、了解されることと思います。」と書かれたことは真実です。

もっとも最近の答申はひどいですが、そのひどい答申が、これからの私達の反撃の一番大切で強力な根拠になるのですから、聖霊のお働きには、私達の思いも及ばない不思議な配慮が秘められている事を思い知らされます。

次回以降は、それぞれの方の発言に対する思いを書きたいと思っています。  (羜十戒)