猪十戒の石の叫びと祈り(教憲教規等の解説と思い)

猪十戒(高槻教会信徒である安田信夫)が、日本基督教団の運営に対して、一致と前進を求めて問題指摘、提言を行うためのブログです。私が感じたことを素直に表現し、また行動します。優しい忠告など、歓迎いたします。コメントをどうぞ。

教憲教規を正しく理解する方法 ご自分で全体を丁寧に読むことに尽きます。

最近少しずつこのブログへのアクセスが増えています。

現在の日本基督教団の状況の中、教団の一部の強権的な方達のあまりにもひどい教憲教規の解釈に疑問をもたれた方達からのアクセスではないかと思っております。このブログと平行して整備してゆくつもりのホームページの整備が遅れれいるので申し訳ありません。ホームページ作成ソフトの使い方がいま一つ理解できてないためについ書きやすいブログの方に時間を取られてしまいます。ゴメン (羜十戒 & 攄十戒)

教憲教規をはじめ規則とは、目的を持って定められたものです。定めた目的が理解できて初めて解釈が可能!

教憲教規を理解し解釈するためにまず必要なことは何でしょうか。勿論、教憲教規の条文を入手しはじめから終わりまで丁寧に読むことがまず基本です。しかし多くの人は、条文を前にしてそれをパラパラと斜め読みし、自分の関心のあるところでストップし、その部分だけを丁寧に読んで、理解したつもりになることが多いものです。

実はこれでは、確信を持った教憲教規の全体の正しい理解には近づけません。規則(この場合は教憲教規)とは目的を持って定められた規則です。それは規則を作るときの鉄則に従って必要最低限の記述で必要な事を全て網羅するように作られています。作ったときにはそれで必要なことは全て記述したとの確信を持って制定されているのです。そのことを前提に解釈する事が必要です。

ですから、それを解釈するときには、どのような目的と必要を持ってその条文が作られているのかを把握・理解しながら解釈することが必要です。各々の条文の制定される意図と意味が掴めるとほぼ自動的に正しい解釈にたどり着けることになります。逆に言うと条文の制定の意図を説明できないレベルでは、正しく条文を理解し解釈できているはずはないのです。

実は私は、2008年の大阪教区総会*1において内藤教団総幹事に教規第1条がどういう思いで決められたのかと、第1号から第3号に分けて定められている第1条の背景にあった意思は何かと聞きましたが、400人で教団の総会を構成するという規定・・・としか答えていただけませんでした。

この教規第1条は教団総会の議員の構成を定める条文で、第1号で教区総会議員である教師から選挙された185名、第2号で教区総会議員である教会役員から選挙された185名、第3号で(教区総会議員との条件を付加せずに)教師または信徒で教団総会議長の推薦した30名、で組織する。と定めてあります。この事実は、教区総会議員以外のものにも、また教会役員でないただの信徒からも、教団総会に必要で有能な人であれば教団総会議員になれる道を確保するという意思がこめられていることを明確に表しています。このように、その制定の意思を理解することが正しい解釈です。

教憲教規には定められていることと、意図して定めるのを避けていることがあることに気づこう。

教憲はわずか12条しかありません。それに対して教規は172条、サイズが大きく違いますが、教規の目次の章の構成を見ると教憲の条文との対比がわかりますから理解しやすくなります。

教憲第1条から第4条は教団の基本原則を定めており、教憲第5条が教規第1章・第2章、教憲第6条が教規第3章、教憲第7条・第8条が教規第4章、教憲第9条が教規第5章、教憲第10条・第10条の2が教規第6章・第7章、教憲第11条が教規第8章・第9章・第10章、に対応し、教憲第12条は教憲自身の変更手続きを定めています。

しかしご自分で教憲教規全体を丁寧に全部読んでみてくださると、定められていることと定められていないことに気づかれると思います。教会規則(準則)を除いて考えると、聖礼典、バプテスマ、聖餐、按手礼、准允、現住陪餐会員などの文言は使われていますが、その定義に関しては書かれていない事実に気づかれましたか。特に現住陪餐会員は、教会総会の構成員としてその定義は必要不可欠なものなのですが、教規には定めてありません。個別教会がそれぞれの教会規則で大義すれば良いとの姿勢です。

それとは逆に教憲第10条の2の教会役員の定義があるのもまた不思議なことです。私はこのことは、教会における聖礼典の執行を判断する権限が教会の役員会に与えられている事と、バプテスマ、聖餐の明確な定義が教憲教規の条文では見送られている事をあわせて判断すると、信仰理解の中心の判断は教会役員会に委ねられているためであると理解しています。

教憲教規を理解するたものポイント

私が教憲教規を理解するための心がけている事を箇条書きでまとめてみます。

  1. とにかく全体を丁寧に終わりまで読む。
  2. 制定日や、変更の履歴、「先例集」*2の解説にも注意を払って読む。
  3. 現行の規則全体は、必要な事は全て定められており*3解釈した結果、存在が不要になる条文が発生する解釈は間違った解釈と理解すべきである。
  4. 全ての条文には、制定の目的や意味がある。それを理解して解釈することが大切。もし条文の目的・意味が説明できなかったときはまだ、その条文の理解が出来ていない証拠である。
  5. 条文に使われている文言は、通常世間で使われている一般的な日本語に従って理解すべきで特殊な使い方はすべきではない。
  6. 条文を解釈するときには、その解釈に従って自分が規則を作る場合も現在の条文と同じ条文になるか考えると、解釈の点検になる。
  7. 自分の解釈とは異なる解釈の仮説を立てて互いの利点・欠点を比較してみる。自分の説に固執しないためにも一度試みるべき点検です。それで自説に確信がもてれば万歳です。(羜十戒)

*1:大阪教区総会議事録を読まれたい方はメール下さい

*2:最近では、参考にするのが恥ずかしい答申もありますが、教憲についての答申は必読です。

*3:定められてないことは定めるべきでないとして避けられたものと理解すべし